シリーズ最新医学講座・Ⅰ 糖鎖と臨床検査・2
糖鎖構造解析法の進歩―質量分析法を用いた糖鎖診断法の開発
天野 純子
1
Junko AMANO
1
1財団法人野口研究所糖鎖生物学研究室
キーワード:
糖鎖構造
,
疾患マーカー
,
質量分析
Keyword:
糖鎖構造
,
疾患マーカー
,
質量分析
pp.221-226
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101530
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はじめに
腫瘍マーカーを抗体で検出する簡便迅速な血清診断が今日繁用されている.しかし,先進医療技術の進展や個別化医療の実現が期待されるなか,これに寄与する腫瘍マーカーはほとんどないといっても過言ではない.すなわち,その精度および特異度が十分ではないのである.高性能質量分析装置の台頭により,新規のバイオマーカーを探索するプロテオミクスが盛んに行われてきたが,実用化されたものはまだない.糖鎖解析が新規マーカー開発の鍵を握ると考えられ,グライコミクスやグライコプロテオミクスも着手され始めた.本稿では,糖鎖構造の複雑さとそれを解析する新しい質量分析法の開発,さらにそれを応用した新規診断法開発について述べる.
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