今月の主題 輸血の安全管理
各論:安全な輸血医療と輸血検査
抗体保有患者の検査と適合血選択:赤血球型検査ガイドライン(平成15年輸血学会会告Ⅷ)を含む
稲葉 頌一
1
Shoichi INABA
1
1神奈川県赤十字血液センター
キーワード:
ABO不適合輸血
,
不規則抗体
,
遅延型溶血性副作用
Keyword:
ABO不適合輸血
,
不規則抗体
,
遅延型溶血性副作用
pp.187-189
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101523
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適合血の選択は安全な輸血医療の第一歩である.わが国ではABO不適合は医療過誤と認識されているので,実態よりはるかに報告が少なく,危険性が過小評価されている.一方,不規則抗体による不適合の半数は実際には溶血を生じない冷式や自己抗体であり,必要のない適合血選択が技師の負担になっている.37℃間接抗グロブリン試験で検出される場合にのみ,適合血を日赤と協力して選択すればよい.カード法による交差試験は検査のトレーサビリティが担保できる点で優れている.
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