特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター
4.遺伝子分析―リスクファクターの推定
7) メタボリックシンドローム (2)高血圧
中山 智祥
1
Tomohiro NAKAYAMA
1
1日本大学医学部先端医学系分子診断学分野
キーワード:
高血圧
Keyword:
高血圧
pp.1585-1590
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101471
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多因子遺伝性疾患としてのメタボリックシンドロームおよび高血圧症
生活習慣病は環境要因と遺伝要因とが関係しており多因子遺伝性疾患と捉えられ,疾患になりやすいか(疾患感受性)否か(疾患抵抗性),という遺伝要因(遺伝子の個人差)が関係していると思われる.代表的な生活習慣病であるメタボリックシンドロームは内臓脂肪から分泌されるアディポカインが病態の根源にあり,派生して起こる高血圧も同シンドロームの診断基準に含まれている.それとは別に本態性高血圧症には独自の診断基準がある.
現在でも明らかな本態性高血圧症の原因遺伝子は見つかっておらず,遺伝子検査で決定的なものはない1).本稿ではまず原因が明らかになっている遺伝性高血圧症を取り上げ,次に本態性高血圧症の感受性遺伝子検索法とその成果,実際の遺伝子検査に向けて課題と展望を述べる.
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