学会だより 第81回日本感染症学会総会
感染症の病態を病原微生物と宿主(host)という観点で考える
竹村 弘
1
1聖マリアンナ医科大学微生物学
pp.892-893
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101278
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本学会は,「病原微生物とhostを一体で把える」をメインテーマに,春爛漫の京都で行われた.6つずつのシンポジウムと特別講演,19の教育講演を中心に感染症の病態,診断,治療,予防,制御などの最新の知見を扱った演題が多数並んだ.
1.シンポジウム1:病原微生物とhostを一体で把えた感染症治療
本学会におけるメインテーマを冠したシンポジウムであり,最も広いメインホールにおいて多数の聴衆が参集した.病原微生物を抗菌薬で抑え込むという微生物側の要因を重視した従来の治療法から脱却し,感染症を微生物と宿主の相互作用として多元的に捉えることで,より高次の治療を目指すという感染症治療のこれからの方向性が,最新の基礎研究の成果を基に示された.このシンポジウムで示された基礎研究の成果が,今後,臨床応用され,よりレベルの高い医療の実現に貢献することを期待したい.
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