今月の主題 不整脈検査
巻頭言
不整脈検査―明日のステップアップを目指して
犀川 哲典
1
Tetsunori SAIKAWA
1
1大分大学医学部循環病態制御講座
pp.669-670
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101235
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本誌は臨床検査に関する様々な主題を取り上げ,最新の情報を提供し,多くの読者を獲得してきた.今回は不整脈を主題として取り上げ,最新の進歩を検査,ならびに不整脈臨床の立場から第一線の先生方に紹介していただいた.これまでの主題を振り返ってみると,1999年の11月号(43巻12号)に心電図が主題として取り上げられている.巻頭言は筆者の前任者である伊東盛雄教授が書いておられる.内容としては,心電図検査の電気生理学的基礎,技術解説,話題などである.それから早8年が経っていることに,愕然とする.月日の経つのは,早いものである.
さて今回の主題は不整脈検査である.まず総論として,不整脈の電気生理学的発生機序,遺伝子診断,薬物治療,電気的治療などに関する話題を取り上げた.検査としては,不整脈に関係する心電図,負荷心電図,加算平均心電図,ホルター心電図,T波交互脈,心臓超音波検査,臨床電気生理学的検査,さらに生理検査ばかりでなく,検体検査から血液凝固系検査を取り上げた.これは心房細動の合併症の治療として,抗凝固薬による治療が大変重要であるからである.各論としては,やはり最も多い不整脈である心房細動,最近話題の特発生心室頻拍,Brugada症候群,心臓突然死,先天性QT延長症候群を取り上げた.加えて最近の話題として,心磁図と学校心臓検診を取り上げた.いずれも力作ぞろいで,読み応えのある特集になった.著者の先生方に感謝申し上げる.
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