今月の主題 不整脈検査
総論
不整脈の電気生理学的発生機序
小野 克重
1
Katsushige ONO
1
1大分大学医学部循環病態制御講座
キーワード:
リモデリング
,
QT延長症候群
,
Brugada症候群
,
特発性心室細動
,
異常自動能
,
撃発活動
,
リエントリー
Keyword:
リモデリング
,
QT延長症候群
,
Brugada症候群
,
特発性心室細動
,
異常自動能
,
撃発活動
,
リエントリー
pp.671-676
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101236
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不整脈が発生するかしないかには,遺伝や性などの先天的な素因に加えて,加齢,心筋血流の程度,血圧などの環境因子によって決定される.様々な環境因子に対して心臓が生理的に適応し,ネガティブフィードバックによって心筋細胞が安定した電気的興奮性を維持できれば,遺伝子プログラムによって正常心機能が発現し正常洞調律が維持される.一方,環境因子に対して適応が不適当な場合は病的プログラムの作動によって不整脈基質の形成が始まる.不整脈の発生は,不整脈基質の形成以前にさかのぼるメカニズムと不整脈基質の形成以後のメカニズムとの二つに大別される.不整脈基質の形成にかかわるメカニズムは不整脈治療の根幹にかかわる重要なポイントであるが現在までの研究では不明な箇所が多い.本稿では不整脈の発生機序を不整脈基質形成の上流と下流とに分けて概説する.
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