今月の表紙 電気泳動の解析シリーズ・5
低温保存により出現する異常LDH症例の解析Ⅰ
堀井 康司
1
Koji HORII
1
1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
pp.454-455
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101192
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今回から2回に分けて不思議な異常LDH(乳酸脱水素酵素)について紹介し,われわれが行った解析の経過について述べていこうと思うが,実はこの貴重な症例は当検査部の技師の1人なのである.名前を仮にA君としよう.
さてA君は当院検査部に就職してすぐに何かの機会に自分の血清LDHアイソザイムの分析をしてもらったことがある.ご存じのようにLDHは電気泳動すると陽極側よりLDH1~LDH5と名付けられた5本のアイソザイム像が検出される.ところがA君は分析担当者からLDH1とLDH2の中間に6本目のバンドがあるといわれたのである.しかし精査しようとして再度採血して分析すると不思議なことに今度は検出されなかった.
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