今月の主題 PSA
症例
家族性前立腺癌家系におけるPSA測定の重要性と遺伝性前立腺癌家系について
大竹 伸明
1
,
中田 誠司
2
,
栗原 潤
3
,
鈴木 和浩
4
,
山中 英壽
4
Nobuaki OTAKE
1
,
Seiji NAKATA
2
,
Jun KURIHARA
3
,
Kazuhiro SUZUKI
4
,
Hidetoshi YAMANAKA
4
1社団日高会日高病院泌尿器科
2足利赤十字病院泌尿器科
3原町赤十字病院泌尿器科
4群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻代謝機能制御系器官代謝制御学講座泌尿器病態学
キーワード:
前立腺癌
,
PSAスクリーニング
,
家族発生
Keyword:
前立腺癌
,
PSAスクリーニング
,
家族発生
pp.1019-1022
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100967
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前立腺癌の危険因子として現在様々なものが取り上げられているが,代表的なものは次の3つである.①年齢(加齢とともに罹患率が高くなる),②人種(東洋人に少なく,白人,アメリカ黒人に多い),③家族歴(一家系に複数の前立腺癌患者がいると罹患率が高くなる).①②については他稿1)でも述べたので,本稿では③の家族歴を中心に取り上げる.
1) 概念
(1) 発端者と近親者
「ある家系を研究の調査対象に組み入れるきっかけとなった患者」のことを発端者という.要するに家族歴聴取の際,ある患者が「自分の父(または兄)が前立腺癌である」とわれわれ医療従事者に話してくれ,それが家族歴調査の発端になるため,この患者のことを指す.
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