今月の主題 漢方医学と臨床検査
各論
MRSA感染防御と補剤―基礎的研究
山口 宣夫
1
,
清水 昌寿
1
,
松葉 慎太郎
2
,
泉 久子
2
Nobuo YAMAGUCHI
1
,
Shoji SHIMIZU
1
,
Shintaro MATSUBA
2
,
Hisako IZUMI
2
1金沢医科大学大学院代替基礎医学
2財団法人石川天然薬郊物質研究センター
キーワード:
MRSA
,
host immune factors
,
herbal medicine
,
drug resistance
,
Infectious immunity
Keyword:
MRSA
,
host immune factors
,
herbal medicine
,
drug resistance
,
Infectious immunity
pp.379-387
発行日 2003年4月15日
Published Date 2003/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100921
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
〔SUMMARY〕 感染性微生物と宿主によって展開される攻防のドラマ「感染症」は時々刻々変貌をとげる.そこに治療操作が加われば予想外の展開が広がる.そのなかには宿主の防御能力の後天的不全と,寄生しようとする微生物の耐性獲得という状況の変化が知られている.この報告ではまず,MRSA臨床株に対する感染防御実験システムを利用して,宿主側の抵抗力賦活を漢方方剤で試みた.同時に,適用する漢方方剤がMRSAの抗生剤耐性の感受性を高めることも併せて見出した.このように漢方方剤が宿主と寄生体に対して同時に作用して,感染病態を収束する方向に作用する点を述べた.〔臨床検査 47:379-387,2003〕
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.