今月の主題 漢方医学と臨床検査
各論
MRSAと補剤―臨床の立場から
北原 正和
1
Masakazu KITAHARA
1
1石巻赤十字病院脳神経外科
キーワード:
意識障害
,
MRSA
,
十全大補湯
,
補中益気湯
Keyword:
意識障害
,
MRSA
,
十全大補湯
,
補中益気湯
pp.373-377
発行日 2003年4月15日
Published Date 2003/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100920
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〔SUMMARY〕 意識障害例のMRSA感染に対する補剤(十全大補湯,補中益気湯)の効果を検討した.喀痰からMRSAが検出された110例に対する投与結果では,104例(94.5%)で陰性化した.またMRSA感染防御における効果では,入院後1週間以内に投与を開始した261例中喀痰からのMRSA検出は22例であったが,非投与例では251例中81例と高率にMRSAが検出された.意識障害例では末梢血リンパ球数が減少するが,補剤にはこれを正常化する効果も認められる.これらのことから,補剤は生体の免疫能,感染防御能を改善し,MRSA感染に対して有効に作用することが推察される.〔臨床検査 47:373-377,2003〕
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