今月の主題 皮膚科と臨床検査
話題
自己免疫性水疱症の検査
石井 文人
1
,
橋本 隆
1
Norito ISHII
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室
キーワード:
蛍光抗体法
,
免疫ブロット法
,
ELISA法
Keyword:
蛍光抗体法
,
免疫ブロット法
,
ELISA法
pp.897-900
発行日 2006年8月15日
Published Date 2006/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100688
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1.はじめに
自己免疫性水疱症において,IgG(あるいはIgA)自己抗体が,皮膚あるいは粘膜上皮の細胞間または基底膜の接着に重要な分子の機能を阻害することにより,接着障害を起こし水疱ならびにびらんを形成するとされている.その診断においては,IgG(IgA)自己抗体の存在を証明することが必要となる.さらに近年,目覚しい免疫学・分子生物学の進歩に伴い,自己免疫性水疱症の標的抗原が同定され,詳細で明確な自己免疫性水疱症の分類が提唱されている.表1に示すように種々の検索方法があるが,血清学的検索法として蛍光抗体法,ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)法,および免疫ブロット法が主として挙げられ,これらを組み合わせ施行することにより確定診断に導いていく.ここでは主に主要な自己免疫性水疱症の血清学的検索を中心に述べていく.
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