特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査
2章 主要冠疾患危険因子の診断基準と臨床検査値
3. 高血圧―診断基準と臨床検査
佐々木 晴樹
1
,
浦 信行
1
,
島本 和明
1
Haruki SASAKI
1
,
Nobuyuki URA
1
,
Kazuaki SHIMAMOTO
1
1札幌医科大学第2内科
キーワード:
高血圧
,
診断基準
,
臓器障害
,
動脈硬化
Keyword:
高血圧
,
診断基準
,
臓器障害
,
動脈硬化
pp.1227-1233
発行日 2004年10月30日
Published Date 2004/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100586
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
高血圧は心血管疾患の最も重要なリスクファクターの1つであり,高血圧の治療の目的は,血圧をコントロールすることにより,高血圧に伴う心血管合併症の予防,あるいはその進展を阻止することにある.血圧のレベルに基づいて高血圧の診断がなされ,その診断に基づいて高血圧の治療が行われる.血圧値は性,年齢,人種などの因子により影響を受ける連続性のある値なので,正常と高血圧を明確に規定することは困難であるが,これまでの疫学調査では血圧上昇に伴って心血管合併症の頻度およびその死亡率が上昇すること,さらに,種々の大規模介入試験により,血圧をコントロールすることで心血管合併症に対するリスクが減少することが明らかにされている.したがって,これらの疫学調査や介入試験の結果に基づき,心血管疾患の発症に関与する血圧レベルをもって正常血圧と高血圧を分けることになる.以下,高血圧の診断基準,高血圧性臓器障害の臨床検査などについて,最近の報告も交えて解説する.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.