特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩
4章 臨床検査情報の収集とデータマイニング
1. 自動分類:clustering
2)自己組織化マップ
片岡 浩巳
1
Hiromi KATAOKA
1
1高知大学医学部附属病院検査部
キーワード:
自己組織化マップ
,
SOM
,
自動分類
,
クラスタリングアルゴリズム
,
機械学習システム
Keyword:
自己組織化マップ
,
SOM
,
自動分類
,
クラスタリングアルゴリズム
,
機械学習システム
pp.1427-1432
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100322
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
自己組織化マップ(Self-Organizing Maps;SOM)1)は,非常に強力なクラスタリング能力を持った解析法の1つで,Kohonenによって考案された技術である.SOMによる解析は,膨大なデータの中に潜むパターンを見つけ出す目的に適用することができる.また,パターンの類似性に応じた距離関係も視覚的に見ることができる.SOMは教師なし競合学習および近傍学習を基本原理としたクラスタリングアルゴリズムで,入力層と競合層の2層で構成されたニューラルネットワークの構造を持った機械学習システムである.競合層は特徴地図と呼ばれる2次元の地図が出力でき,複数のパターンが存在する膨大なデータを入力することにより,代表的なパターンを特徴地図上に展開できる.また,類似性の高いパターンが収束した結果を得られることから,パターンの解析や類似性の解析に優れた方法である.このほか,SOMの基本原理を発展させて開発された学習ベクトル量子化(Learning Vector Quantization:LVQ)2)がある.これはSOMを単純化し統計的クラス分類に応用したアルゴリズムで,クラスタリングではなく分類に属する教師あり学習システムである.本章ではLVQには触れず,SOMの基本原理の解説と,研究者向けのプログラムパッケージの利用法を紹介する.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.