特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩
2章 臨床検査の診断的有用性の評価法とEBLM
3. 多重ロジスティック分析による診断的有用性の評価法
市原 清志
1
Kiyoshi ICHIHARA
1
1山口大学医学部保健学科病態検査学
キーワード:
多重ロジスティック分析
,
患者対照型研究
,
ROC曲線
,
ロジスティック曲線
,
ロジット変換
,
オッズ比
,
最尤推定法
Keyword:
多重ロジスティック分析
,
患者対照型研究
,
ROC曲線
,
ロジスティック曲線
,
ロジット変換
,
オッズ比
,
最尤推定法
pp.1341-1353
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100310
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
臨床検査の診断的有用性の評価と患者対照型研究
1. 患者対照型研究
臨床検査の究極の目的は,その測定値から特定の病態の有無を診断することにある.したがって,検査の臨床的有用性を評価するには,その診断能を評価する必要がある.このためには,検査で診断しようとする病態を有する個体群(疾患群)を明確な規準で選別し,同時に,その病態を疑ったが,そうではなかった個体群(非疾患群注1))を集めて,2群がどの程度的確に分別できるかを調査する必要がある.この種の調査研究のデザインを広義に患者対照型研究注2)と呼ぶ.
注1) 実際に検査が利用される状況が,検診など健常者を対象として広く行う場合には,健常群を非疾患群とすることができる.一方,検査の適用が病気を疑った対象に限定される場合には,検査を行ったが,その病態を否定された群を非疾患群とし,現実に見合った検査の診断能を求めることが要求される.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.