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特集 新型コロナウイルス感染症の検証―腎疾患診療を中心に
COVID-19関連腎疾患
新型コロナワクチンと腎障害
Renal adverse events related to SARS-CoV-2 mRNA vaccination
荒井 宏之
1
ARAI Hiroyuki
1
1京都大学大学院医学研究科腎臓内科学
キーワード:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
mRNAワクチン
,
糸球体腎炎
Keyword:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
mRNAワクチン
,
糸球体腎炎
pp.481-485
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000913
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はじめに
新型コロナウイルスに対するワクチン(新型コロナワクチン)の接種は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延防止に重要な役割を果たしてきた。新たに開発されたmRNAワクチンは非常に効果的にCOVID-19を抑制することが明らかとなり,これまで全世界規模でワクチン接種が推進され,高い臨床的効果を発揮している。新型コロナワクチンは優れた感染防止効果をもちながらも安全性が高く,局所の発赤や疼痛を誘発する頻度が高い一方で,重度の副反応は稀である1)。しかし,新型コロナワクチンはこれまで実用化されているワクチンとは全く異なる機序で感染防御効果を発揮することから,さまざまな臓器において特徴的な副反応が生じうることが報告されている。本稿では新型コロナワクチンに関連し生じる腎障害,特に糸球体腎炎について,これまで報告されてきたエビデンスに基づき概説する。
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