今月の主題 腎疾患と臨床検査
総論
臨床検査に必要な腎機能の知識
今井 正
1
Masashi IMAI
1
1自治医科大学
キーワード:
腎生理学
,
体液調節
,
尿細管機能
Keyword:
腎生理学
,
体液調節
,
尿細管機能
pp.485-491
発行日 2006年5月15日
Published Date 2006/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100083
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代謝産物や異物の排泄,体液量と組成の調節,ホルモン産生・分泌の3つが腎臓の主要な働きである.心拍出量の5分の1が腎血流量であり,腎血漿流量はおよそ600ml/minである.この20%が糸球体で濾過される.糸球体濾過で失われる可能性のある生体に必要な溶質は尿細管で再吸収される.糸球体で濾過されたNa+の99%以上は尿細管で再吸収される.そのしくみは近位尿細管,Henleループ,遠位尿細管,集合管のそれぞれの分節で異なり,多様である.K+の尿中排泄は摂取するK+の量によって尿細管の再吸収から分泌まで様々であるが,これには遠位側ネフロンでの調節が重要である.尿細管のH+分泌,HCO3-の輸送によって体液pHが調節される.また,腎の尿希釈・濃縮機能は体液浸透圧を一定に保つうえで重要である.〔臨床検査 50:485-491,2006〕
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