主張
病院の改革は人事の採用から
Y
pp.829
発行日 1995年9月1日
Published Date 1995/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903822
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「超氷河期」の本年度の就職戦線もそろそろ終盤戦となった.昨年と同様に本年もまた女子学生の就職への道は閉ざされたままであり,大きな社会的な問題となっている.バブル崩壊後のわが国経済は,政府の各種政策の対応にもかかわらず低迷を続けている.また,近年の政治の混迷,急激なる円高,株価の低落は,企業の投資意欲を極端に先細らせている.企業の収益確保のためのリストラは,人員の合理化をはじめとしたあらゆる分野に及んでおり,不況に強い病院においても企業の人間ドックの受診者の減少傾向は,これらの一つの現象であると思われる.
さて,病院の「就職戦線」はどうであろうか.多くの病院においては,やっと採用試験等の準備を開始した段階であろう.本年度もまた慢性的な看護婦不足で病院の採用担当者を悩ませているのではなかろうか.新看護体系の実施に伴う病院間の激しい看護婦採用合戦は,現在の一般企業の就職戦線と比較すると驚くべき状態である.日々の新聞紙上の求人広告欄における医療機関よりの広告の多さには呆れ返る程である.
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