特集 療養病床の行方
療養病床—当院の選択—よりよいリハビリ入院治療のために
鈴木 恒彦
1
1特定医療法人大道会ボバース記念病院
pp.561-563
発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903568
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ボバース記念病院のリハビリテーション事情
ボバース記念病院は本年で創立20周年を迎えるが,わが国における都市型リハビリテーション(以下,リハ)医療施設の先駆けとして,これまで様々な体験をしてきた.近年の当院への脳卒中の患者の流れは図1のごとく,急性期病院において2週〜6か月間のリハ治療後に紹介されることが多く,急性期におけるリハ治療では機能回復が不十分な約30〜40%(覚醒レベルが不十分,端座位が不可能な段階)の方々が受診される.特に一般病床の平均在院日数の短縮が進む最近の診療報酬改定後は,発症後1か月以内で覚醒レベルと呼吸・摂食管理に問題を有し,合併症を持ったままにリハ医療を求めるより重症な場面が増えており,予測される長期間のリハ治療とこれを制約する医療保険との板挟み状況である.
入院の紹介率は98%を超えるものの,長期入院を必要とする方々が多く,入院中の移動能力や日常生活動作能力(ADL)は全介助のため,そこにかかわる大勢のセラピストや看護師,ヘルパーを必要とする.したがって,実効的リハ治療を行うためには,医療的看護度が薄い想定の下に設定された現在の療養病床の看護配置基準では,現実には対応ができない.むしろ急性期一般病床並みの,全身管理を含む専門的技術に裏付けられた目を持つ看護・介護が求められている.
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