特集 病院の外来—増やすか減らすか
病院から診療所に望むこと
田所 昌夫
1
,
泉 哲郎
2
1河北総合病院
2河北総合病院事務部
pp.375-379
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903527
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東京のような都市部では,人々の大病院志向が強く病院の外来に患者さんが集中しているという.河北総合病院も外来に毎日患者さんがあふれている.定期的に当院に通院している患者さんには診察予定時刻を記した予定表を渡しているが,診察を希望して臨時に来院された患者さんを既に診察枠がいっぱいであるからとの理由で断ることもできず予定枠の間に入れているので,診察予定時刻が大幅に遅れることがしばしばある.定期的に通院している患者さんはあまり不平も言わずに待っていてくれる.一方で医師たちは短時間のうちに多数の患者さんの診療を済まさなくてはならず,ストレスの多い状態が続いている.
病院の外来が現在の状況のままでよいわけがない.例えば,内科外来にはわれわれからみれば病院の外来に通院する必要がないと思われる患者さんが多数いるので,これらの患者さんたちに近くの診療所へ通院されるように勧める努力をしたのであるが,患者さんたちは種々の理由から頑として病院に通院し,外来の状況は変わらない.これらの経験をもとに診療所へ望むことをまとめてみたい.
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