特集 病院の増改築
病院の増改築—選ばれる病院づくり—マスタープランによる効果的なリニューアル
相澤 孝夫
1
1特定医療法人慈泉会相澤病院
pp.128-131
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903475
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病院の建築は経営方針を建物という目に見える形で示すものであり,病院における技術的要素という医療の質の一要素を発揮する場を提供すると考えられる.また医療の質におけるもう一つの要素であるアメニティについては,建築にかかわる部分が多い.人間関係的要素もまた医療の質の一要素であるが,これも建築とは無縁ではない.働きやすくきれいな建物は働く人に働きがいを与え,人間関係が良好になる.当院は医療が量から質の時代に変わりつつある1990年より赤字経営であったが,1994年より断行した経営改革の一環として行った病院の増改築により医療の質を向上させることに成功し,患者に選ばれる病院づくりもできたと思われる.
マスタープランを持たずに行う増改築は機能的に支障を来すことが多く,有効な投資をするには,マスタープランをつくり,これに沿って増改築を行うことが,質の高い骨格のしっかりした建築を長く使う時代には重要である1).
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