特集 病院の増改築に関する諸問題
病院増改築の工費分析
大場 則夫
1
,
管野 義隆
1
1共同建築設計事務所
pp.20-26
発行日 1965年12月1日
Published Date 1965/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202733
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まず標題に対する筆者らの態度についてお断りをしておく。この標題を与えられたとき,これまで幾度か悩ませられた問題が念頭に浮かんだ。つまり「今度既存の建物を改修して病棟にしたいが……」あるいは「取りあえず診療棟は古いほうの○○を改修して使おうと思うが……」一体予算としていくら見込めばよろしいかという類の質問。あるいは非常識な予算だけ先に決められて,その枠内で目的を達するには,どこをどうやったらよろしいかというようなことなどである。この種の質問はわれわれにとっても,きわめて応答困難であり,したがって増改築の企画をされる方がたには一層困難を感じられる問題にちがいない。
工事費の分析は,その目的によって様々な仕方が考えられるが,本稿では一応増改築の企画または設計計画に対し工事費策定上いくらかでも役に立つような目安を出すことを意図している。しかしながら,以下にも述べるような様々な困難ゆえに,厳密な統計処理とか本格的な原価計算とかにはなっていないことをあらかじめご了承いただきたい。
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