特集 病院の増改築
病院の増改築—選ばれる病院づくり—「ホスピタリティの追求」を基本的コンセプトに
相良 吉厚
1
1医療法人博愛会相良病院
pp.126-127
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903474
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当院の増改築と専門特化へのビジョンの確立
当院は鹿児島市の中心地に位置し,婦人科,内科,緩和ケア科を併科する乳がん専門病院である.戦後間もない1949年,一般外科病院として開設された.1973年には乳がん診療を加え,九州で初めて乳房X線撮影装置マンモグラフィを導入,さらに1978年,西日本で第一号機の電子写真法X線撮影装置ゼロラジオグラフィを設置して,次第に乳腺専門へと診療体制を変容させていった.同時に女性を対象とした医療に特化するため,他疾病患者や男性患者の制限,疾病構造の割合を順次見直した.併せて環境整備においては,女性専門病院にふさわしいアメニティのあり方を心がけて,数回の増改築を行った.まさに専門特化への方向性を模索していた頃である.
1995年には,建物の一部老朽化とスプリンクラーの設置義務から全面的なリニユーアルを決定,医療施設近代化施設整備事業の補助金の支援を契機に,病床の100床を81床に,量から質へと診療機能を優先したダウンサイジングを実行することになった.1997年4月から乳がんを中心とする専門病棟60床,県下初の緩和ケア病棟21床の病棟編成で新たなスタートを切ったのである.
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