連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第84回
事例にみる外来手術施設の計画
筧 淳夫
1
,
小林 健一
1
1国立医療・病院管理研究所施設計画研究部
pp.910-914
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903400
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この十数年間,国内の医療施設の中心的話題は高齢者を対象とした医療施設,いわゆる老人病院や療養型病床群のあり方であった.そうした中で急性期医療施設に目を転じても,病棟における患者の生活環境の重視が中心的課題であり,急性期医療の提供に関する建築的話題が少なかったといえよう.
ところで近年,入院部門の平均在院日数が急激に短縮化する中で,入院しながら行われていた治療行為が数多く外来で行われるようになった.内視鏡による治療やがん患者に対する化学療法などがそれである.このような傾向の延長線上に,まだ国内においては事例が少ないが,外来において行われる手術,いわゆる外来手術(一般には「日帰り手術」と呼ばれることが多いが,手術日に来院して手術を受けた後に帰宅する場合ばかりでなく,入院する場合もあるので本稿では「日帰り」ではなく「外来手術」と称する)がある.
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