病院管理フォーラム 看護管理・22
看護業務の採算性を考える(1)
桃井 妙子
1
1中野総合病院
pp.49-51
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902901
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診療報酬制度における看護業務の位置づけ
最近,厚生省や政府与党は医療提供体制の抜本改革についていろいろな案を検討している.世界一のスピードで人口の高齢化が進み,国民医療費が膨大する一方で,バブル崩壊後経済の低迷は長引いている.これを乗り切るために,従来は医療に含まれていた介護の部分を分離する一方,病院を特定機能病院,地域医療支援病院,一般病院,療養型病床群などに新しく分類して,それぞれに別々の診療報酬制度を追加・変更した.しかしこれでも財源が不足するとして,現在様々な審議の場で,急性期医療と慢性期医療や医療費包括支払制度その他が議論されている.
欧米に比べて一般人口と対比した病床数が抜きん出て多く,入院患者の平均在院日数も先進諸国に較べて非常に長い日本において,平均在院日数を一つの尺度として急性期病床と慢性期病床に分けて医療費削減を考えることが厚生省と与党のねらいである.病院ごとに分けるか病棟ごととするかは未定のようであるが,とにかく急性期の初めのいく日かは出来高払いとして後は包括払い,慢性期は包括払い,というのが今のところ大方の考えとみられている.この議論の前提の一つとして,看護体制が濃いほど平均在院日数が少ないというデータがある.
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