特集 岐路に立つ中小病院
中小病院の医療と経営の新戦略—良質の医療提供こそ経営安定のカギ
谷 尚
1
1公立八鹿病院
pp.432-433
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902697
- 有料閲覧
- 文献概要
病院が冬の時代に入って経営が厳しくなったことは数年前からいわれてきたが,1997年9月から老人医療の投薬の一部負担や98年4月から健康保険被保険者本人の2割負担と診療報酬点数の引き下げなどにより,医療費の伸びも1997年度は前年比プラス1.5%,1998年度はマイナスになると予測されている.医療制度の抜本的改革もすすめられ,全国の2次医療圏ごとに病床数の見直しが始まり,まず急性期病床を決めたあとの病床は慢性期病床(療養型病床)にするようである.結果として9,600の病院は約6,000になるというのである.在院日数も20日を切って14日くらいが目標ともいわれている.こうなれば当然,病院の再編成が起こり,生き残る病院と消えていく病院が出るだろう.各病院も生き残りをかけた戦略が要求されるがどんな対策があるのだろうか.
当院のように過疎地にある公的病院(一般359床,結核24床,合計383床)が歩んできたことと,今後新たに取り組むことなどを述べたい.結論的には今日までやってきたことと大きく変わることは少ないと思う.当院は今後も保健,医療,福祉を一体化してやっていく.地域に密着した医療と救急医療や高度医療を行うことは当然であるが,都会と地域では立地条件が違うので実行していくことが難しい.よい結果を出すためには立派な医師を集めることできるかどうかで決まる.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.