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第39回日本人間ドック学会会長を務める 足利赤十字病院 奈良昌治院長
後藤 文男
1
,
八木 保
1慶應義塾大学内科学
pp.496
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902423
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足利赤十字病院院長奈良昌治博士は学校秀才型でない秀才である.彼の行動のすべては既成の概念にとらわれない創造的発想に基づいている.その資質は研究者として遺憾なく発揮され,米国留学中に自動的色素注入器を発明し,慶應神経内科時代には,定量的な筋力計の作製や言語能力を定量的に評価できる斬新なシステムを完成するなど,その研究は他の追随を許さない独創性にあふれている.執筆者としてもベストセラー作家としての名声をほしいままにしている.極めて大きい活字を使った類のないユニークな本『ドクターナラの成人病診察室』シリーズはその代表作である.
彼の優れた資質の第2として抜群の行動力が挙げられよう.日本全国を疾風のごとく走り回って世界有数の人材を集め,名実ともに超一流の近代的病院を作り上げた功績はこの資質による.彼の行動力の凄さは,留学中に三世の美しい女性に一目惚れして,その女性を養父母の家から家出同然に連れ出してしまったエピソードに凝縮される.その女性こそ朝子夫人である.
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