レポート
病院図書室を取り巻く新しい動き
野原 千鶴
1
1山口県済生会下関総合病院図書室
pp.957-960
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902239
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病院図書室を取り巻く状況の変化
病院図書室は本の置き場所であり,閲覧,貸出などが医師のために行われているという閉鎖的なイメージがまだ存在しているであろうか.医療の進歩に伴う情報入手の必要性はもとより,医師は学会認定制度による単位取得のための学会活動が加わり,図書室の需要は高まっている.
さらに特記すべきは,この数年間での医師以外の職種,すなわち看護婦,コメディカルスタッフ,事務職の学習意欲の高揚である.院内看護研究活動の定着,看護関連学会の開催頻度の増加,また専門職としての知識・情報入手の必要性により,看護婦の図書室利用率は急激に増加した.コメディカルスタッフも種々の資格の取得制度や,派遣人員導入が進む時流のなかで,専門職としての職種の確立を目指し,特に専門的知識を提供する体制へと変化しつつある.管理職,事務職も病院の赤字経営において,経営,管理のプロとしての手腕が求められ,さらに病院の増改築,移転などの大事業に際して広範囲で豊富な情報が必要となってきた.
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