連載 病院主導の保健・医療・福祉複合体の実証的研究・5
第2報 その2 老人保健施設の「母体」とチェーン化の全国調査
二木 立
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.250-256
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902057
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〔前号より続く〕
筆者の調査結果
1.老人保健施設の「母体」
1)老人保健施設の「母体」の全体像
表5は,筆者の調査により明らかになった老人保健施設の「母体」を,開設者別に示したものである(1995年12月末現在.以下,断りのない限り同じ).これは本稿でもっとも重要な表である.なお,表1(1995年10月1日現在,2号160頁参照)と異なり,開設者は「大分類」ではなく,「小分類」で示している.そのために,表1と異なり,「社会福祉法人」には済生会を含まない.
調査方法の項で述べたように,老人保健施設の「母体」は,①病院,②診療所,③医師会,④特別養護老人ホーム,⑤その他の社会福祉施設の五つに分け,①〜③の合計を医療機関「母体」とみなした.公立施設を含んだ全施設でみると,もっとも多い「母体」は病院で全体の68.6%である.これは,厚生省調査による病院「併設」割合48.9%(表2.ただし,1995年10月1日割合,2号161頁)より,19.7%ポイントも高い.診療所「母体」の割合も20.1%であり,厚生省調査による診療所「併設」割合13.5%より,6.6%ポイント高い.両者に医師会「母体」を加えた,医療機関「母体」小計の割合は,実に89.5%にも達する.
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