医療の質の評価と改善 組織・運営・戦略におけるトータル・クォリティー・4
医療施設の機能評価(2)—方法論の現状と将来性
今中 雄一
1
1九州大学大学院医学系研究科医療システム学教室
pp.1176-1179
発行日 1996年12月1日
Published Date 1996/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901992
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医療評価における病院機能第三者評価の現在の焦点
医療の質の構成要件には,まず,効能のある医療技術があり,それを効果的に適用する医療者がおり,その医療行為の媒体となる医療施設があり,さらに大所から影響を及ぼす医療制度(保険制度や医療施設の配備)がある.例えば,医療制度の評価としては,マクロ経済的な,医療費や国民の健康指標などの国際比較などその一例となろう.
医療の構成要件のそれぞれに対応する評価の枠組みを表1に示す.「医療技術」の評価の一つに,そのもの自体の効能(efficacy)の評価がある.例えば,新薬の臨床治験がそれにあたり,その薬剤投与という技術が一定の対象に一定の方法で施行された時の効果を調べるものである.患者のサンプリング方法を含めた厳格な研究デザインのもとに臨床的な効果や副作用が評価される.
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