特集 待ち時間解消はどこまでできるか
待たせない手立てと患者の評判
表示・案内の工夫
西村 昭男
1
1医療法人社団日鋼記念病院
pp.756-759
発行日 1996年8月1日
Published Date 1996/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901886
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
わが国には,待ちの時間を楽しむという文化が存在するが,多くは未知への期待など価値創造の場面である.医療がサービス業の一つに数えられる以上は,病院における待ち時間も適切に短くなくてはならない.わが国の病院における外来診療の実態には,「3時間待って3分診療」というレッテルが悪評として貼られてきた.本特集が取り上げている「待ち時間解消」は,単に3時間を30分にすれば良いという課題ではないように受け止められる.ここでも,「原点から考え直す」という視点から,わが国の医療の在り方や制度など構造への改革的アプローチが求められているものと考える.逆説的に言えば,3時間以上待たされても顧客が十分に満足するような“価値ある3分間診療”があっても良いのである.しかし,一物一価の保険医療制度のもとでは“価値ある診療”に点数評価を期待することは難しい.
ここでは,現実問題として,私どもの施設で,待ち時間にかかわる表示・案内をどのように考え,どのような工夫をしているかについて紹介する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.