レポート
大型自治体病院の経営実態を分析する〔第Ⅱ部〕—給与および職員数の変化
武 弘道
1,2
1鹿児島市病院
2鹿児島市立病院
pp.464-467
発行日 1996年5月1日
Published Date 1996/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901808
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給与の変化
1.医業収益に対する給与費の変化
医業収益に対する諸費用の比率の変化(50病院の平均)を表4に示した.諸費用の年度ごとの変化を見るには,医業費用の中の比率で見るよりも医業収益に対する比率で見るほうがわかりやすい.表4に見るごとく各費用の中で職員給与費が最も大きな部分を占める.職員給与費の比率は昭和60年代に入り毎年上がり続け1990年がピークであった.自治省がまとめた「平成6年度の地方公営企業決算の概要」1)を見ると,過去4年間の職員給与費の対前年度伸び率は1991年7.7%,1992年6.4%,1993年5.1%,1994年4.5%と最近ではしだいに低下してきている.職員給与費は看護婦の給与がその最も大きな部分を占める.看護婦の給与は1994年まで上昇を続けてきたが,その中でも1989〜1991年の間が最も著明に上昇した.したがって医業収益に対する職員給与費の比率もその頃が最も高い.
図4は経営優良病院における医業収益に対する給与費比率の変化を見たものである.この10病院の平均値は1990年が最も高く52.0%であった.このような優良病院においては給与費を抑えようとする企業努力が他の病院より強いため,1994年には10病院中7病院が給与費比率50%以下となっている.
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