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公立病院の経営実態について
福岡 寿三
1
,
山本 猛
1
1山口県立医科大学事務局
pp.53-60
発行日 1956年11月1日
Published Date 1956/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201167
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医業経済の危機が叫ばれて,すでに久しいが,わけても公立病院は地方財政窮迫の余波を受けて瀕死の瀬戸際に追いつめられており,今にして適切な対策が講ぜられないならば,自滅の道を辿るか,さもなくば自衛策として不本意でも診療サービスの内容を低下させる以外に方法はないであろう。けれども,後者の道を選ぶことは,病院として良心を悪魔に売り渡すものと云うべく,最早公立病院と潜称することは許されまい。
我々は与えられた環境に順応するだけでなく,現在公立病院の進んでいる方向・位置・速度を適確に把握しているだろうか? これを他の事業と比較してみるならば,自らの中に,無意識に自滅の諸要因を孕んで喘いでいるのではなかろうか。病院経営者は他の事業に比べて,全てが病院の特殊性と云う理由の故に,諦らめの境地に立つているのではなかろうか?
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