人
老人の専門医療を考える会を興こし主宰してこられた 天本病院院長 天本宏先生
河北 博文
1
,
八木 保
1特定医療法人河北総合病院
pp.420
発行日 1996年5月1日
Published Date 1996/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901791
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呉秀三は「精神病者の不幸はその病に冒された不幸と日本に生まれた二重の不幸である」と言った.天本先生は精神医学を専攻の後,専門領域を老人医療へと移した.先生が天本病院を開設されたのが昭和55年であるが,昭和50年代,日本の老人医療は惨澹たる状況であり,速やかな大改革が求められていた.それに応えるべく同志の仲間と実践と政策を通し,今日の老人医療まで多くの困難に直面しながらも改革を推進し,今後の超高齢社会へつなげる道筋をつけた.
政策では「老人の専門医療を考える会」ならびに「全国介護力強化病院連絡協議会」の会長として全国を飛び回り,諸外国の制度の比較,導入に熱心である.同時期に新たにこの分野に参入した病院人の多くが創業者であり,アントレプレナー精神豊かな人が多い.その取りまとめ役はすでに10年を越え,実に苦労が多いが,人の意見を引き出し,愚痴を聞き,合意を得て政策にまとめていくことは天本先生の人間性によるところが大きい.
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