病院管理フォーラム
[放射線設備・機器管理Q&A]診療用放射線照射装置使用室の構造設備
諸澄 邦彦
1
1埼玉県立小原循環器病センター放射線部
pp.990-991
発行日 1995年10月1日
Published Date 1995/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901635
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はじめに
放射線照射装置と呼ばれるのは,60Co (コバルト-60),137Cs (セシウム−137),192Ir (イリジウム−192)などの放射性同位元素の原子核から放出されるγ線(ガンマ線)を利用する放射線治療装置である.治療時の形態から,外部照射装置と腔内照射装置とに分類される.
1962年に設立された国立がんセンターの放射線治療装置は,当初固定型と回転型テレコバルトが主体であった.テレコバルト装置は,良好な操作性と,故障の少ないことで広く利用され放射線照射装置の代表であった.しかし現在では,111TBq(テラベクレル)前後の60Co線源の交換費用と,線源輸送上の放射線防護と線源管理を含めた経費が高額であるという理由のほか,リニアックなど他の放射線治療装置の性能が優れてきたこともあって装置の製造は中止されている.一方最近では,201個の60Co線源を球面状に配置し,細いビームを形成して一点に集中させる放射線照射装置のガンマユニット(ガンマナイフ)が開発され,脳疾患の治療に応用されている.
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