病院管理フォーラム
[病院図書室]「患者図書サービス連絡会」の発足の意義と今後
岡部 禹雄
1,2
1全国患者図書サービス連絡会
2(山梨)病院図書研究グループ
pp.704-705
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901563
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はじめに
「病院図書館」と呼ぶのが正しいのか,「患者図書館」と呼ぶべきなのか,これは用語の問題というより,もっと広範なしかも本質的な問題を含んでいるようである.私たちの会は,「患者図書サービス」の全国連絡会と名づけた.「病院図書館」で患者さんから図書サービスを求められたとき,いま病院図書室はどう対応できるのか,対応すべきなのか….「患者が図書サービスに求めるもの」といったとき,問題の視点はそう単純ではない.
慢性疾患の入院患者が多く占めている病院で,心のケアを求める患者さんの文化的要求にこたえる患者図書サービスは,何よりも病院そのものの主体的かかわりを必須な要件とする.外からの働きかけ,また病院ボランティアの作用等は一つの条件ではあっても,それ自体では患者図書サービスは定立できない.これは自明の理である.
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