建築と設備 第6回
私立大学附属新病院3題
河口 豊
1
,
高野 重文
2
,
由利 忠雄
3
,
木下 晴二
4
Yutaka KAWAGUCHI
1
,
Sigebumi TAKANO
2
,
Tadao YURI
3
,
Seiji KINOSHITA
4
1病院管理研究所
2高野重文建築事務所
3(株)大林組設計部
4日成建築設計事務所
pp.861-867
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208928
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大学附属新病院の役割
ここ5年くらいのうちに私立大学附属の新病院がいくつも開設された.本誌で紹介する3病院の他にも,新しいところでは帝京大学市原病院,埼玉医大総合医療センターなどがある.いうまでもなく大学附属病院は診療の場であるとともに,臨床教育・研究の場でもある.そして我が国では,医学教育を行う大学は附属病院を設置することが義務づけられているから,当然教育・研究に必要な陣容と設備を誇る病院を既に持っている.では第2,第3の附属病院はどのような位置づけにあるのであろうか.それによって建築や設備のあり方も変わってこよう.
まず研究の観点からみてみよう.例えば慶応大学の月が瀬リハビリテーションセンターは,昭和16年から月が瀬温泉治療研究所として療養所が開設されていたが,昭和33年の狩野川台風により閉鎖,10年近く前に再開された.これは温泉という地域特性を利用したもので,場の規定を受け,そこに病院を持たざるを得ない.正に分院である.しかしこのような例はごく少ない.
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