増刊号 日本の病院建築
専門病院・保健健康関連施設などの建築
保健・健康施設3題
長澤 泰
1
,
浦 良一
2
,
浮ヶ谷 啓悟
2
,
木村 誠
3
,
上原 憲二
4
Yasushi NAGASAWA
1
,
Ryouichi URA
2
,
Keigo UKIGAYA
2
,
Makoto KIMURA
3
,
Kenji UEHARA
4
1東京大学工学部建築学科
2建築総合計画研究所
3石本建築事務所
4(株)横河建築設計事務所
pp.180-186
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901102
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保健・健康施設—ニードと期待
今日,大きく変貌しつつある人口・疾病構造や保健医療環境の中で,過去40年間に著しい向上を遂げた健康水準を単に喜ぶ風潮はやや退き,健康自体に対する価値観に変化が見られる.この変化はまさしく今後どのような機能と品質を備えた施設をどのくらい建てるべきかを考える時に見落とせない要素である.
人口構造の変化については世界に類を見ない急速な高齢化現象,疾病構造を見ると,かつて4割を占めていた感染症に代わって,今や成人病が7割を占めるようになった.死因の順位も欧米的になり,病気による医療機関利用率が他の年代の4倍にも及ぶ高齢者の存在は,医療需要に与える影響が大きい.さらに寝たきり老人介護の必要性と裏腹に若年人口の減少は,家庭介護力を含めた介護面でのマイナス要素となっている.老人痴呆に代表される老人精神保健対策も早急に講ずる必要がある.
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