看護業務改善事例集
新任看護部長のもとでの業務改善とその評価—マネージメントに焦点を当てて
嶋森 好子
1
1東京都済生会向島病院
pp.672-677
発行日 1994年7月1日
Published Date 1994/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901283
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私はなぜ業務改善に取り組んだか
私は看護学校を卒業後,臨床の看護婦,看護学校の教員,職能団体である看護協会の卒後教育担当者を経験したのち,臨床にもどり主任・婦長として10年間働き,再び教員を経て現在の職に就いた.まわりの期待と自分自身の希望により様々な立場の看護婦として働く機会を得たわけだが,このことが私に自分の仕事を見る時の独特の視点を育てたのではないかと考える.
例えば,臨床と教育,その教育の場も基礎と卒後という2つの立場で働いた経験は,私にどの場で働くときも,自分が身を置いていない場から,今自分が置かれている立場とそこでの働きを批判または評価しようとする.具体的には,基礎教育で学生を指導する時「果たしてこの指導で現場の看護婦として働くときの基礎となる教育になるだろうか」という評価の目となり,また,現場でスタッフと何かを決めるとき「果たしてこれが,学校で学生に指導してきた看護の原理に則っているのだろうか」という評価の目になる.
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