人
脱精神病院に深い関心 東京都立松沢病院院長 金子嗣郎氏
大谷 藤郎
1,2
1財団法人藤楓協会
2元厚生省医務局
pp.368
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900907
- 有料閲覧
- 文献概要
大正時代,トイツ留学から帰朝した東京帝国大学教授であり松沢病院長でありた呉秀三は,「日本の精神病者は,精神病者である不幸の上に,日本(精神病者の人権を認めない)に生まれた不幸という二重の不幸を背負っている」と喝破し,政府に対して精神病対策の無策を批判した.
彼の運動が,大正12年精神病院法の成立を促し,全国に府県立精神病院設立の契機をなした.松沢病院は現在に至るまで日本の精神病治療の中心であったし,内村祐之先生,林暲先生,秋元波留夫先生など代々の院長は日本の精神医療史に燦然と輝いている.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.