主張
民間病院の経営
Y
pp.105
発行日 1991年2月1日
Published Date 1991/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900851
- 有料閲覧
- 文献概要
各民間病院においては,平成2年度の決算見込みもほぼ予測が可能となり,来年度の事業計画・収支予算の細部についての検討が開始されていることであろう.平成2年度は社会保険診療報酬が改定されたが,大部分の民間病院においては,実質的には若干の増収傾向であるにも拘らず経費の大幅な増加となり,経営を維持することさえ困難となってきていると思われる.最近の民間病院における低迷した経営状況は,将来に対する経営不安を増大させており,我が国医療を支えてきた民間病院としての存続さえ否定されかねない状況である.ついてはこのような環境下における民間病院の経営状況について述べてみたい.
我が国民間病院は,自由開業医体制下における出来高払い診療報酬のもとに経営基盤を整備し運営を行ってきた.この自由開業医体制における出来高払い診療報酬は,民間病院としての自主・独立の精神を生じさせ,地域における医療機関等相互の経営的牽制を行いつつ,地域医療機関として独立し,かつ均衡のとれた医療サービスを可能としていた.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.