病院管理の現場から 看護最前線
人間の「性」と看護
棚田 秀子
1
Hideko TANADA
1
1細木病院看護部
pp.1273
発行日 1990年12月1日
Published Date 1990/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900815
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近年のわが国における性意識や性行動の変化には目をみはるばかりである.性科学の発展や諸外国の影響を受けて,性の解放が急速に進展していったのだろうが,ちなみに松本清一氏のデータによると,高校生の婚前性交否定率は,昭和26年で男子56.1%,女子74%であったものが,昭和62年には,それぞれ3.6%,9.8%と著明に低下してきている.またそれと並行して,思春期妊娠が大幅に増えたり,エイズなどの新たな性感染症が社会問題になっている.
このような背景を踏まえて,文部省所管の学校教育の場でも,指導要領を改訂して,小学1,2年生は生活科のなかに,小学4年生からは理科,以降は生物や保建といった教科のなかに性教育を取り込んで,本格的に取り組もうとしているようである.さらに都道府県のレベルでも,健全母性育成事業に積極的に取り組んでいる.
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