病院管理の現場から 看護最前線
今,大切にしていること
棚田 秀子
1
Hideko TANADA
1
1細木病院看護部
pp.345
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900621
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公立の看護学校の専任教員を経て,公立病院の主任・婦長,そしてカムバックした看護学校の教務主任として,約20年勤務した公務員生活に終止符を打ったのは,昨年の6月であった.そして翌7月から,縁あって民間病院(一般・精神611床)の看護部長に転任することとなり,戸惑いながらも,周囲の状況がみえてきた今日この頃である.
「居心地のよい看護学校から転任した真意は何?」とよく人に尋ねられるが,私はその度に,「学生に看護のあるべき論を語ってきたからには,自分の言動に責任をとる生き方を選択してもよいのではないか」と答えてきた.もっとも,それがいかに大変なことであるかは覚悟のうえであったし,その具体化に少しの自信があったわけでもない.ただ,看護職員の看護観と大筋において一致したところで,自分の看護観に基づく看護が実践できるような条件づくりをすることが看護管理者の大きな役割だと考えれば,間違いなくやり甲斐のある仕事である.そんな思いが「公」から「民」への転任を私に決断させたのである.
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