特集 中小病院サバイバル
公的中小病院の生きる道
岡本 一雄
1
Ichio OKAMOTO
1
1六戸町立国保病院
pp.123-124
発行日 1990年2月1日
Published Date 1990/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900567
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なぜ医療の谷間となったか
まず初めに当病院の立地している六戸町を紹介する.六戸町は青森県上北郡の東南部に位置し,人口10,916人,東は下田町(人口9,102人),西は十和田市(人口61,750人),南は三戸郡五戸町(人口19,744人),八戸市(人口242,609人),北は三沢市(41,850人)にそれぞれ隣接している.車で三沢市まで15分,十和田市まで20分,八戸市まで40分の距離である.地形は南部台岳地帯の一部を形成している洪積層の台地と細長い沖積平野とからなり,目立った高地,山岳はない.また水系の主なるものは源を十和田湖に発する奥入瀬川の下流相坂川で,町の中央より南部を流れている.
六戸町民の大半は農業に従事しており,老人もかなり多い.したがって当病院は老人医療を中心としている.医療圏は下田町の一部,五戸町の一部をも含んでいるが,三沢市,十和田市の八戸市への患者の流出もかなり多い.ちょうど医療の谷間のような場所となっている.なぜ医療の谷間になったのかは,六戸町立病院の歴史をたどってみると,なるほどとわかる.
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