特集 いま病院トップに求められる能力とは
現代が求める病院管理者像
国立病院看護部長経験者の目からみて
武藤 美知
1
1福井県立大学看護短期大学部
pp.685-686
発行日 1993年8月1日
Published Date 1993/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900428
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看護部長として職責についた期間は長くはなかった.しかし辞令交付のその時,1枚の辞令はずっしりと重かった.看護部長の選び方はそれぞれの設置主体の事情もあって一律一様ではないが,全職員の60%以上をもつ部門のトップとなれば条件も厳しくなるのは当然であろう.
国立医療機関(厚生省)の看護部長は厚生大臣が任命権者であって大臣発令の辞令が交付されることになっている.辞令に浮かぶ朱色の極印はまだ見ぬ陣地に向かう旗印にみえるのである.それは病院長自らの選考尺度で選んだり,昇格させたり出来ない仕組みになっていて国立病院・療養所の病院長は1枚の辞令を持って現われる看護部長と運命的な出会いをすることになる.胸のうちには病院長,医師,婦長たち,多くの看護婦との間に起こる人間関係に密かな自負と一抹の不安が去来する.
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