現代病院長論
市立舞鶴市民病院院長10年の経験から—2 医療理念システム・医療の実践
瀬戸山 元一
1,2
Motoichi SETOYAMA
1,2
1島根県立中央病院
2前市立舞鶴市民病院
pp.918-922
発行日 1992年10月1日
Published Date 1992/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900207
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医療理念システムの垂直軸
保健・診療・福祉の三位一体の論理を貫くには,広い意味での行政がその柱です.狭義の医療にのみとらわれることなく,人間の行動や環境などにも広く目を向けなければなりません.個人的価値観や立場からのみでは医療理念システムの確立はあり得ません.単に机上の建前論や形式論では実際の成果や将来の発展は期待できません.
現実と理想との整合,本音と建前との調整,部分と全体との調和,さらに分化と連携など,より本質的な課題について十分に認識し,検討を加え,社会状況の実態把握のみにとどまらず将来を予測し,絶えず理想に向かう方向づけがなされなければなりません.各種のデータを分析し,これらのデータを参考に自分たちの病院をどう運営していくかという建設的な考え方をすべきです.
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