連載 アーキテクチャー×マネジメント・108
医療法人社団秀峰会 川村病院 緩和ケア病棟|いまここ|
石井 敏
1
1東北工業大学
pp.10-15
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541212085
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■緩和ケア・ホスピス
1967年に英国のシシリー・ソンダース医師が,がん患者が抱えるさまざまな痛みや苦痛の緩和を通して,その人が,その人らしく生きることを支えるチーム医療を実践する場として聖クリストファー病院に「ホスピス」を開設した.「緩和ケア」は「ホスピス」とほぼ同義だが,日本の制度上は「緩和ケア」の名称が使われており「がんその他の特定の疾病に罹患した者に係る身体的若しくは精神的な苦痛又は社会生活上の不安を緩和することによりその療養生活の質の維持向上を図ることを主たる目的とする治療,看護その他の行為」と定義されている(がん対策基本法).WHOの定義(2002年)では,「緩和ケア」は「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを,痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで,苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチ」である.
全国の緩和ケア病棟の数は466施設,病床数は9,625床となっている(2022年11月15日時点,日本ホスピス緩和ケア協会).
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