連載 アーキテクチャー×マネジメント・107
医療法人尚徳会ヨナハ丘の上病院
小林 健一
1
1国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部
pp.1028-1033
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541212064
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■地域医療の担い手として
2021年に竣工したヨナハ丘の上病院が位置する桑名市は,鋳物に代表される地場産業で知られており,有名な遊園地「ナガシマスパーランド」など観光都市としての顔も持つが,歴史をたどると江戸時代からの宿場町・城下町・港町として栄えてきた.三重県ではあるが名古屋市から特急電車で30分弱の距離であり,ベッドタウンとして宅地開発が進んでいる人口約13万人の都市である.
ヨナハ丘の上病院の歴史は,沖縄県宮古島出身の与那覇尚氏が1975年にヨナハ産婦人科病院(22床,桑名市和泉)を開設したことに始まる.ピーク時には年間800人,桑名市内の新生児の6割をヨナハ産婦人科病院で取り上げてきた実績があり,桑名市民にとってお産といえばヨナハというイメージが強かったという.
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