特集 病院リハビリテーションの進化
病院運営の中での位置付け
超急性期医療におけるリハビリテーションの在り方—早期リハビリテーションの効果
高橋 哲也
1
,
岩田 健太郎
2
1順天堂大学保健医療学部理学療法学科
2神戸市立医療センター中央市民病院リハビリテーション技術部
キーワード:
急性期病院
,
早期リハビリテーション
Keyword:
急性期病院
,
早期リハビリテーション
pp.594-599
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211967
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■早期リハビリテーションの発展
「超急性期医療」と「リハビリテーション」には親和性がない,と考える病院管理者は今ではもう数少ないと思う.2018(平成30)年以前は「救命救急病棟や集中治療室にいる患者は,急性期治療の最中なのだからリハビリテーションができる状態ではない(請求内容が適切でない)」と判断され,疾患別リハビリテーション料の査定や返戻が行われた事例は少なくなかった.
古くからベッド上での安静臥床の弊害は広く知られていたが,重症患者を扱う超急性期医療の現場では,損傷組織や臓器の保護,筋酸素消費量減少による換気需要の軽減,回復のための代謝資源の節約など,安静の潜在的効果も重要と考えられてきた1).特に人工呼吸器管理には患者の呼吸と人工呼吸器との同調が重要視されたために「重症患者ほど安静」という思いは,医療者や患者・患者家族の間で共通であったと思われる.
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