連載 アーキテクチャー×マネジメント・99
広島市立北部医療センター安佐市民病院
中山 茂樹
1
1千葉大学
pp.286-291
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211897
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■周辺状況と再編整備
安佐市民病院が立地する広島二次医療圏は,広島市と隣接する2市6町からなる圏域であり,全国335の二次医療圏の中でも面積は23位,人口も16位と,規模の大きな医療圏である.とはいえ,圏域人口の88%は広島市であり,一方,二次医療圏面積に占める広島市の面積は36%にすぎないから,周辺地域は人口過疎地域と言ってもよい.安佐市民病院は広島市の北部,安佐北区に立地し,市立であるにもかかわらず安佐北区に加え隣接市町を診療圏とするものである.診療圏面積は二次医療圏の75%を占め,医療機関が集中する広島市南部への交通が不便な住民の三次医療機関として機能している.
旧病院は安佐北区の中心地である可部駅近くにあったが,施設の老朽化と狭隘化により建て替えが決定された.現地での建て替えも検討されたが,建て替え手順や敷地面積などの課題から移転新築となった.その際,診療圏内での医療機関の再編が検討され(図1),その一環としての移転新築となった(図2).
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