特集 検証 2022年度診療報酬改定
総論
2022年度診療報酬改定で目指したもの
金光 一瑛
1
1厚生労働省健康局(前・保険局医療課)
キーワード:
診療報酬改定
,
厚生労働省
,
新型コロナウイルス感染症
,
感染対策
,
働き方改革
,
入院・外来・在宅
,
オンライン診療
,
不妊治療
Keyword:
診療報酬改定
,
厚生労働省
,
新型コロナウイルス感染症
,
感染対策
,
働き方改革
,
入院・外来・在宅
,
オンライン診療
,
不妊治療
pp.1030-1037
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211815
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■はじめに
今回の2022年度診療報酬改定(以下,今回改定)については,わが国の直面する課題が,少子高齢化だけでなく,急速な労働人口の減少であることを踏まえ,その変化の最中にある医療現場をどのように下支え・強化していくかといった中長期的な対応と,さらには,新型コロナウイルス感染症の感染拡大のような有事対応も可能となるような医療提供体制をどのように作り上げていくか,といった当座の対応の,両方を求められた,きわめて難しいものであった.
もちろん,基本的な医療政策の方向性については,診療報酬ではない形で立案されることになる.しかしながら,診療報酬において,2年に1度,適切な手を打つことは,医療政策全体から見た場合に非常に重要な意味を有していることは論を俟たない.見方を変えれば,1回の診療報酬改定の機会を逃すことは単に2年ということにとどまらず,その前後を含めた4〜5年ほどの間,医療政策の重要なピースをはめないままとさせてしまうということを念頭に,新型コロナウイルス感染症への対応のさなかであったが,今回改定の作業に取り組んだところである.
なお,本稿は,すでに保険局から離れた立場から,当時のことを振り返りながら私見を交えてまとめているものであり,厚生労働省の見解と必ずしも一致しない部分があることにご留意いただきたい.
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